父(故人)の名がつけられた星
✦小惑星(登録番号14535)
"Kazuyukihanda"

 夜空を見上げると無数の星が見られますが、その中の一つに父(前館長)の名がつけられた星があることを知っておられる方は、おそらく専門家筋の方々ぐらいだろうと思います。
 小惑星の探索では、その名を世界に知られているA氏(島根県八束町大根島在住)が、1997年9月1日に発見された登録番号14535の小惑星を氏の御厚意によって2001年になって父の名を使って命名していただき、"Kazuyukihanda"としていただきました。
 父とA氏とは、同じ天文仲間として古くからの付き合いで、二十数年前に美保関に隕石が落下した当時、隕石研究の専門家の先生達とともにいっしょになって民家の中を隕石の破片捜しに大奮闘したこともありました。
 父は十数年前(平成19年12月)に亡くなりましたが、しかし、これからは天空の星となって、いつまでも我々の心の中に生き続けていくのだろうと思います。 あらためてA氏には、この場をお借りして厚くお礼を申し上げる次第であります。

2001年6月号の月刊「天文ガイド」の記事 小惑星センター2001年3月1日発行の
「小惑星回報(mpc)」の記事

   
(H29年12月24日に当館のHPに掲載したものを若干修正)
美保関隕石に関する出版物(出版元:山陰中央新報社 1993年出版)
表 紙
25ページ掲載の写真
 1992年12月10日夜9時ごろに松江市美保関町惣津の民家へ隕石が落下してから今年で25年になります。
 当時、父はすでに学校を定年退職していて、このころは県内外を車で野宿しながら化石や岩石を採集する漫遊の旅に明け暮れていました。 この隕石の落下は、父にとっては生涯最大のビッグニュースであり、父に大きな活躍の機会を与えてくれたものだったと思います。

 右側の写真で、天井を右手で指さしている人が国立科学博物館の館長だった村山定男先生(故人)で、後方左から二番目が父で、前方左端の人物が小惑星探索で著名な大根島在住のA氏です。 隕石の専門家だけでなく島根・鳥取県内のアマチュア天文家も殺到し、父も隕石落下のニュースを知るとすぐに出かけて行って専門家やアマチュア天文家仲間といっしょになって調査や探索をしたみたいです。


上段
「UFOの残骸の一部」?

中段
鉄隕石「ギベオン隕石」

下段
鉄隕石「バリンジャー隕石」
太陽系最古の鉱物を含む岩石 「アエンデ隕石」
 父は生前、当館の隕石コレクションを大変自慢していました。 「近隣の自然史関係の博物館で、これだけの隕石を収蔵しているのは当館だけだ!」、と自負していました。
 たしかに、隕石を持っている博物館の多くはギベオン隕石のような鉄隕石などが主体で、当館のように46億年前の原始太陽系円盤の中で太陽とともに生成された物質を含んでいる「アエンデ隕石」といったものや水を含んでいる隕石として有名な「マーチソン隕石」(ただし薄片)などを持っているところはそう多くないと思います。