(H21年12月20日に掲載の記事)
人は、常に大気に身をさらして生きている
大気現象の科学に興味を持とう!


上段の写真は、ラジオの気象通報を聞きながら天気図を作図しているところです。 下段左の写真は、インターネットの気象サイトから気象情報を入手し、それをパソコンで加工しながら気象を学ぶための指導書「インターネット気象学」(坪田幸政・吉田 優 著 クライム社出版)です。 下段右の写真は、当館のパソコンの機能をパワーアップするためにCPUを交換しているところです。

大気現象というものは実に面白い。 自分の予想が的中すると嬉しいし、逆に外れると何故外れたのかと考えさせられる。 最近はインターネットの普及で、一般の人達でも生の気象データを入手することができ、自然というものをある程度定量的に考察できるようになったと思う。 しかし、大気現象の科学、いわゆる気象学というものを正面きって学ぼうと思うと天文学同様、難しい微分方程式との格闘になってしまい、これが実に難儀である。 気象の数値予報が当たり前になっているので、簡単な方程式の近似解くらいは自分で出せなくては気象関係はとてもやっていけないという感じがしてくる。

昔のパソコンにはROM-BASICとかN88-BASICというのがついていて、ユーザーで簡単なプログラムを作って楽しむことができた。 しかし、今はビジュアル何とかかんとかという高価なソフトを買ってこなければできない。 Windowsは実に金食い虫だと痛感する。 その点、Linuxは良いと思う。 自己の利益を度外視したオープンソースで、gccというC開発環境が標準でついている。 簡単な方程式の近似解くらいだったら素人の自分でもCプログラミングでできるのである。

人は常に大気に身をさらして生きているから、大気現象には敏感であるはずだ。 このような自然現象を定量的に考察できたらどんなに素晴らしいことかと思う。 しかし、昨今のパソコンやインターネットの進歩のおかげで我々素人にも少しずつ可能になってきていると思う。 気象関係も地質関係同様、生のデータをもとに自然を発見的にかつ探求的に学べるようになりつつあるのではないかという気がする。 当館も本腰を入れて気象関係に着手していこうと思っている。

パソコンは人の記憶力を補助し、思考力と創造力を増幅してくれるツールだと思う。 しかし、Windowsには個人的に違和感を抱く。 オープンソースであるLinuxやBTRONを応援したい。 最近では、学校でもWindowsのアプリの使い方をそのままズバリ教えたり、各県の教員採用試験でもそのオフィスソフトの使い方を試験するそうである。 Windowsができなければ良い成績が取れない、単位が取れない、卒業できない、教師になれない、、、ということであり、これではさっぱり世の中変わらない気がする。 思わず坂村節をうなりたくなる心境だ。 これからも当館のホームページはLinuxで作っていこうと思っています。


当館のモットーは手作り足作りである。 世間の人はあまり当館のやり方を理解してくれないが、手作りこそ学芸の基本、学びの基本であり、人が知識を獲得していく過程を重視した活動こそ創造力豊かな人づくりにつながるものだと思う。 日本人は、完成された知識を理解修得することは大変得意だが、新たな知識を創造することは大変苦手だと思います。