(令和2年12月4日記載)
目覚めよ! スマホ狂いの子供達
← 川本小学校のうさぎ小屋にて(邑智郡川本町)
(昭和四十年代はじめごろ)
今月の23日で、父(前館長)が亡くなってから十三年が経ちます。(平成19年12月23日没)
筆者は子供のころ、休みの日などにはよく父について父が勤めていた小学校へ連れていってもらいました。(当時はまだ日直の制度がありました) そこでよく動物小屋の掃除をしたり、理科室で父が実験器具を手作りするのを見たり手伝ったりしたものです。
今思えば、幼少のころのこのような経験が、大人になった今でも自分の心の中に深く生き続けているように思います。
父は、教員時代からずっと一貫して変わることがなかったものが、科学の心を育む教育的活動でありました。 父は生前よく、
「自分は最後まで教頭留まりで校長にはなれなかったが、教職在職中から天文による教育普及活動にいそしみ、多くの人達と出会い多くのこと学ぶことができた。 大変有意義だった。」
と言っておりました。
また、父が亡くなる一ヶ月くらい前、父は自宅の屋根裏の押入れにしまっていた 「子供達の科学的態度の育成に関する、、、、、、」 という表題の古い論文集を持ち出してきて、「これは、自分が川本小学校在勤中に、理科教育関係の全国規模の研究会で発表し、高い評価を受けた論文だ。 これから二年後に信州大学の教授が仮説実験授業に関する論文を出したが、 内容はほとんど自分のこの論文のものと同じだ。」などと言って大変自慢しているのを今でもよく憶えています。
まこと、父の一生は、
「科学の心を育む教育的活動」
で貫かれたものだったと言えると思います。
決して、父のこのような生き方を筆者も踏襲したいと言うわけではありませんが、これからの当館の活動の軸は、やはり従来どおり「科学の心を育む教育的活動」でありたいと思います。 当館は「日本一粗末で素朴な博物館」ですが、少々見た目が悪くとも、子供達や一般の人々の心の中に科学心を育める、そのような博物館を目標にして頑張ってやっていきたいものです。
(右の写真をクリックすると拡大写真にリンクします→)
やっぱり、自然体験の必要性を強く感じます。 小学生にプログラミングやロボットの操作を教えたりするよりも、もっともっと大自然の中で伸び伸びと活動させるべきだと思います。
科学技術の完成品を教えるよりも人間にとって普遍的なもの基礎的なものをしっかりと教えるべきだとつくづく感じます。
まだ先のことですが、10年後に改訂される学習指導要領では、ぜひ、地球環境などの自然を科学的に学習させるような内容を多く盛り込んだ教育課程にしてもらいたい、、、と切に希望するものです。
化石でたどる地球の歴史展
(平成18年7〜8月、江津市桜江町坂本の博物館施設にて)
父が亡くなる1年数ヶ月前、同町坂本にある博物館施設で自然館が持っている化石資料を使って「化石でたどる地球の歴史展」という化石展を二ヶ月間やったことがありました。 この期間中、父は毎日この展示室に常駐し、見に来られたお客さんに解説をして回っていました。 大変好評でした。