(令和6年5月12日掲載の記事)
銅ヶ丸鉱山の銅、どう?(美郷町銅ヶ丸鉱山)
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今今年のゴールデンウイークには銅ヶ丸の観察会に近隣の高校(S高校)に通う元気な生徒二人に参加していただきました。
上の右側の写真は、左側の写真にある「緑の滝」斜面から青緑色泥状の付着物をシャーレに取って、これに希塩酸を加えて溶かし、この液にカッターの刃(鉄製)を浸したものです。 しばらくこのまま放置しておくと刃の表面に薄茶色の銅が析出するのが観察できます。
鉄、銅、水素のイオン化傾向の違いを利用した簡単な実験ですが、野外で容易に銅の存在を確認できます。
鉱山跡地でも銅の析出実験、どう?
鉱山跡地にまで至るのが大変で、最後の難所であるが、さすがに高校生達は元気に登ってくれた。 跡地のズリ斜面に転がっている転石の中には表面が緑色になっているものもあって、これに希塩酸をかけ、この上からカッターの刃をしばらく押し付けておくと刃の表面に薄茶色の銅が析出してくるのが確認できる。
この日は日本晴れ(快晴)で、鉱山跡地の上には一面の青空が広がっていて暑かった。
鉱山の麓を流れている谷川(今津川)には各所に滝や早瀬、甌穴などがあって岩石や鉱物以外にも見どころがたくさんあります。
左の写真の滝には、その滝壺付近をほぼ水平に安山岩の岩脈が周辺の花崗岩に貫入しているのが観察できる。 このような地質的な境界にちょうど滝ができていて、谷頭侵食で谷が成長していく過程で滝が形成されることを示す一つの例だと思います。
以前から当館では銅ヶ丸鉱山の観察会を希望者があれば秋以外のどの季節でもやっています。 決して個人や団体に参加を催促したりするようなことはしません。 真に興味のある方達に参加していただきたいです。
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